3. 広報委員会の活動について
皆さんこんにちは、クラブでの広報について20分短い時間ですがよろしくお願いいたします。
まず、お手元の資料で、「聞いたことあるが何をする団体は知らない」と「クラブ独自の活動でロータリーの広報を」という資料をご覧になっていただきたいと思います。RIは最近世界中でいろいろな調査を行っています。それによるとロータリーと言う名前や言葉は知っているけれども、世界で良いことをしている団体だという認識を持ってらっしゃる方はほとんどいないという結果が得られています。さらに別の調査の結果では、若い人たちはボランティアをするのに年会費として何十万ものお金を払うことに抵抗感思っています。そこでロータリーはプロジェクトの規模を大きくし、広報することに力を入れるようになりました。
これまでロータリーの広報が消極的であったのは「ロータリークラブが奉仕活動選ぶ場合に宣伝をその主たる目標としてはならない」という1923年の方針声明が、しばしば「ロータリークラブは宣伝や広報活動を極力避けるべきである」、という意味に解釈されることが多かったためで、実際の声明はさらに次のように述べています。「ロータリーの影響力を拡大する1つ方法としてクラブが立派に遂行した有益な事業については正しい広報が行われるべきである」、また70年代には、もしロータリーの綱領とプログラムへの理解や評価、支援を助長し人類に対するロータリーの奉仕を広げるなら、「良い意味での宣伝、好ましい広報、肯定的イメージはロータリーにとって望ましく、しかも非常に重要な目標である」とされており、成果あふれる奉仕プロジェクトが優れたメッセージとなることは多くのロータリアンが心得ています。
さてクラブが広報を行うときの理由としてひとつは会員に対するものがあります。数年前3500名を数えた地区の会員数が現在2200名と自然減を含め約3分の1の方がロータリーを去っています。私たちの仲間を増やすために皆さんがお友達やお知り合いに「ロータリーを一緒にやりませんか?」と声をかけたとき「ロータリーって何?」「楽しくなさそう」といった答えが返ってこないように、正しいロータリーや良いイメージを持っていただく必要があるのです。
クラブで広報に取り組んでいただくとき、先に申し上げましたように「ロータリーそのものを広報」することはありません。また平均で35名程の、しかも大変お忙しい方たちの集まりですから、時間やお金にも制約があり、限られたリソースを十分に活用し、それぞれのプロジェクトと連携をしていただく必要があります。ただし連携するからといって報告書を作成したり、活動状況を記録したりするだけでは広報とは言えません。
地元の人が利用する図書館の蔵書が増えるのだから一般の人々に関係のある素晴らしい企画だから!との事で新聞社に連絡して、これを取材してもらってくれとなります。予算を決めて本を購入、寄贈する。ところが報道関係にもち込んだ担当者は逆に、馬鹿にされて帰ってきた… というのはよくある話です。利用者にとっては、興味のある本か?どうか?寄付なのか?予算で購入なのか?わからない、また、ロータリーはお金もちなのにこれだけ?とせっかくの善意もこのように思われてしまうようです。
では、広報の考え方を取り入れて効果的に図書館に「図書」を寄贈するとどうなるでしょう?
最初に…「地元の図書館に本を寄贈しようという話がもち上がり多くの方のご意見を取り入れたいと思うので[お知らせ]として紹介して欲しい」と報道機関に連絡をします。この「お知らせ」というのが大事で、ニュース性のない「お知らせ」というのは報道機関にとっては空きがあればいつでも載せてあげられる大変便利なものなのです。結果地域の人々から「自分は登山をするのだが、そういった本があまりない」、若いお母さんが「子育てと育児の本を充実してほしい」や「新刊が少ない」「1部の蔵書の傷みが激しい」などといった声がクラブに集まってまいります。結果、予算と考え合わせ上位から何番目までの本を寄贈するよう決めます。付いては、「来る○月○日に贈呈式を行うことに決定いたしました、ありがとうございました。」と連絡をします。すると自分たちの関わった企画ですから、上手く行けば贈呈式の記事も扱って頂ける可能性が出てきます。両方とも予算が同じでも、得られる結果は大きく変わってしまう、大切なのは「初期の段階から広報を視野に入れた戦略」です。
また広報の視点でモノを考えると開催日時の設定にも影響をして参ります。クラブで奉仕活動やイベントを考えるとき、週末や祝日が参加者や人の集まりも良いので多いと思いますが、広報的には全く不適当であると言わざるを得ません。日曜日や祝日の多くは夕刊がない上、祝日の中には新聞社が休みで翌日の朝刊も無い場合があります、さらに他の奉仕団体や自治体、地域のイベントなども集中して同じスペースを多くの人で取り合うことになります。
そこで参加者や人の集まりは悪くて活動も大変かもしれませんし、内容にもよりますが調整をして可能なら平日に設定してみてください、特に火曜日と木曜日はネタが少なく些細な催しでも大きく取り上げられ易いものです。また朝刊の場合締め切り時間が1番早い地方版は午後11時ごろ、最終版である市内版の締め切りは午前2時前後ですから、取材の方が会社に帰って記事を作成する時間や、編集する時間も考慮に入れ終了時刻を設定するように、すなわち広報して貰う側は常に相手の立場を考えて行動する必要があります。
メディアへのコンタクトと案内状作成のポイントは実際に作成するときに読んでみてください。不明な点は広報委員会にお問い合わせいただければお手伝い申し上げます。
その他のポイントとしてクラブ会長や広報担当者はいつだれに聞かれてもそのイベントがどんな目的で、誰が、どのように開催するのか?常に答えられるように、話すのが不得意な方は要点をまとめていつでも渡せるように準備をしておいてください。会場では入会希望者の方が問い合わせてくるかもしれません、クラブの紹介や入会案内をセットにしておくのも良いと思います。
写真を撮られることも多いと思いますが、看板や場所、内容などの特徴のあるモノを背景に使用するようにしてください。参加者の集合写真を多く用意してもメディアで取り上げられることは少ないと思います。何枚かはその行事のメインテーマを考えて撮影するようにしてください。紙媒体の場合、同じシーンを右から、左からとバリエーションを用意しておくと、そのことが原因でボツにならずにすむかもしれません。
広報活動は実際に奉仕プロジェクトを行う委員会やクラブ理事会との連携により地域におけるクラブの存在感を高めることが可能になります。マスメディアなどの既存の媒体に加えクラブや地区のWebやBlog/Twitter/Facebookなど手軽で安価な新しいメディアも積極的に活用してみましょう。
地区では地域社会でのクラブの認知度を高めるため、お役立て頂けるよう、奉仕プロジェクトや活動に看板/タスキ/のぼり旗/ベストなどをご用意申し上げております。
またRVM「ロータリービデオマガジン」は年3回出版される、世界で素晴らしい活動をするクラブのプロジェクトを紹介したドキュメンタリービデオです。例会で、イベントで活用してください。
更にRIや地区のWebには多くの新鮮な情報が用意されています。地区のWebには地区内の仲間の情報を検索し、奉仕の機会を増やすため「ロータリアン検索ネットワーク」をご用意いたしております。ご活用いただきたいと思います。
手っ取り早くすぐ出来る!クラブ広報としての活動は、『ロータリーの友』などの雑誌を会員事業所の待合室などに置いてもらい、一般の方に知っていただく。「ロータリー大綱」「ロータリーとは」「ロータリーの基礎知識」などの案内資料を、例会場に置いたり、地域の事業所に配布する。例会や活動以外でのバッチ着用の励行「End Polio Now」ピンを活用して、ロータリーのポリオ撲滅活動について伝える。など、ちょっとした事やいつもの活動の中にもヒントがあります。
取り組んでいただくこと自体が成功ですが、メディアに取り上げられた活動をいくつか写真でご紹介申し上げます。
新しい取り組みに皆様の経験を活かし、柔軟に会員の増強や地域社会での理解の推進を成功させてください。