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職業奉仕 部門
1.基調スピーチ
リーダー 中西 功 (鎌倉)
私がロータリー・クラブに入会した1971年当時は、地区内に毎年新しいクラブが10以上誕生し拡大を続けていた。しかし現在の日本のロータリーは停滞というより、むしろ後退しています。

会員数を見ても、最盛期より約30%近く減少しています。

「種の起源」の著者であるチャールズ・ダーウィンはその中で"地球上の生き物は全て生き残るチャンスを求めて進化する。最も強いものや賢いものが生き残るのではない。最も変化に適応したものが生き残る"と記しています。組織の存続も同様であると思いますが、そこには変えるものと残すものの選別が難しい。最近のロータリーの著しい変化(進化?) には、戸惑うばかりです。

その中でロータリーの原点である一業種一会員制の原則(2001年の規定審議会で廃止)、規則的例会出席の原則(1968年以降度重なる規制緩和)が崩壊しました。

以前は、正月元旦だけが休会で、大晦日も1月2日も例会は行われましたし、祭日も休会ではありませんでした。この二点の箍が緩んだことが、衰退に向った要因と思われてしかたがありません。

前者は職業分類表の未充填からの会員増強という、基本的な増強が出来にくくなったことです。

さて職業奉仕ですが、ロータリアンは職業人であります。自分の企業をどの様な不況期にも潰れない強い体質の企業に育て上げる事が第一義です。その上で余裕があれば、社会奉仕、国際奉仕、青少年奉仕という他者への奉仕を実践すべきであります。これが正に職業奉仕を中心とするロータリー運動です。

ロータリーには職業分類という原則が厳として存在しています。分類に従い夫々の業界から事業内容も人格的にも申し分ない人を、その業界の代表として選ぶ。したがってロータリアンはエリートです。よってロータリアンとして選ばれることは大変名誉なことでもあります。同時にエリートの名誉にふさわしい「高貴な義務」が要求されます。それは地域社会から信頼される職業奉仕に通じます。

ロータリアンの持つ品性と倫理が問われる職業奉仕が最近重要視されなくなったのは、寂しさを感じます。ロータリーが個人奉仕から財団寄付及びその他諸々の寄付の要請で行われる集団奉仕に向かう現状がよいのか疑問を感じます。

ロータリー・クラブは本質的には社交クラブであり、組織的には職業分類クラブです。そして奉仕の心を持った人の集まりです。日本ロータリーの創始者である米山梅吉翁は「ロータリーは奉仕クラブではない、クラブとして奉仕することは何も無い。しからばロータリーは奉仕するロータリアンを育てるところ、教育するところである」と言っております。ロータリーの究極の目的は慈善事業にあらず、人をつくるところなり。よってロータリーは倫理運動なり。スー・シティー・ロータリー・クラブ所属のロータリー初期ガバナーを務め「職業奉仕私論」という論文を著したジョン・ナットソンはロータリーは人生の学校であるとも言っています。

後のグループ・ディスカッションで、いくつかのテーマで討論をしたいと思います。
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