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米山奨学 部門
6.質疑応答及びディスカッション
(1)質疑応答
●相模原中RC:荻原利彦
有資格者をどのように調べるのですか。

○小島サブリーダー
まず書類審査をします。大学でも推薦にあたり審査をしていますが、入学時期や学費の納付状況などを確認します。

●相模原中RC:荻原利彦
各大学に留学生が何人いるか、そのうち有資格者が何人いるかを調べて被推薦者枠を決めているのですか。


○小島サブリーダー
地区ではなく、米山奨学会が、大学から情報を集めて枠を配分しています。

大学によっては、被推薦者枠があっても、推薦者ゼロというところもあります。その場合は、他の大学に枠を回すことになります。

同じ大学でも、年度によって奨学生の人数が異なることがあります。これは、大学側で大学院生を優先する考えがあったり、面接官側に、漫画やアニメ研究といった特定のジャンルに学生が集中したことに対する違和感があったことが背景にあります。


○竹内リーダー
 また、以前は日本語を話せることが応募資格になっていたが、これが撤廃され、英語だけで授業する大学の学生も受けられることになりました。

●平塚南RC:清田恒顕
奨学金給付期間が1年だったり2年だったりしますが、どれはどこで決められるのでしょうか。


○小島サブリーダー
申請書で履修過程の残年数で決まります。例えば、修士課程2年の人は、1年しか受給できません。このような人が博士課程への進学を考えている場合は、博士課程に行ってから応募し直せば、2年間受けられると話しています。面接の場で話すので、そこで考えを変えるということはありませんが。

また、期間終了後、世話クラブが半額(7万円×12か月分)を一括で拠出すれば、残り半額を米山奨学会が負担する期間延長制度もあります。

期間延長を希望する場合は、クラブが直接米山奨学会に申請する必要があります。申請が受理されると、通常の新規奨学生と一緒に審査されますが、一度奨学生として合格し、なおかつ世話クラブが金銭負担をするといっているので、不合格となることはまずありません。

ただし、延長制度は、世話クラブに大きな負担を求めるものなので、奨学生が早めにクラブに申し込むことが必要ですし、学生の今後に影響することなので、クラブも諾否を早く学生に知らせなければなりません。延長申請は年2回となっていますので、締切日も確認してください。

奨学生とクラブのコミュニケーションは大事なので、面接時には、何曜日に例会に出席できるかを必ず質問し、出席可能な曜日に例会を行っているクラブを世話クラブに選んでいます。


●厚木RC:三宅壯平
応募資格について、学校への説明は徹底されているのでしょうか。学生がよく理解していないことがあります。また、卒業後、数年すると行方がわからなくなってしまうこともあります。カウンセラーが退会すると縁が切れてしまうこともあります。学友会では、住所把握をどのようにされているのでしょうか。


○竹内リーダー
奨学生の卒業後の関わり方は、クラブとカウンセラーがどれだけ関与したかにかかっていると思います。

私自身、何人かのカウンセラーとなりました。1981年にカウンセラーとなったナイジェリア出身の奨学生は、今アメリカに住んでいますが、3月11日の震災発生の翌日、電話で安否を気遣ってくれました。

米山奨学会も把握に努めていますが、最終的には、世話クラブとカウンセラーが、奨学生を家族の一員として、自分の子供と同じように接することができたかどうかで決まると思います。カウンセラーだけでなく、クラブ全体で奨学生を気にかけてあげることも必要です。

お金の負担も大事ですが、ロータリアンの心が一番大事です。


○小島サブリーダー
奨学生と卒業後連絡がとれなくなってしまう、というお話はよく出ます。カウンセラーが退会されたり亡くなったりされると、途絶えてしまうことも多いようです。しかし、昨年の震災で、16年間音信普通だった奨学生から連絡があり、「日本では大変お世話になり、いつかお返しをしたかった」と、100万円の寄付を申し出てきました。未曾有の震災ということもありますが、震災を機に奨学生との縁が再開したというケースは幾つかあるようです。

○竹内リーダー
「ロータリー家族」と言います。例会の間だけのつきあいでは、強いつながりはできません。家に呼んで、家族として触れあうことをしてあげてください。

●秦野RC:小野宗一
奨学生の選考ポイントはどのようなものですか。

○小島サブリーダー
学業の優秀性だけでなく、日本語でのコミュニケーション能力もポイントとなります。また、卒業後世界に出ていく可能性が高いと思う人は点数が高くなります。


○竹内リーダー
選考基準は以前と随分変わってきました。

以前は、学業の成績よりも生活の困窮度や、出身国にロータリークラブがあるかということが重視されました。また、卒業後国に帰って活躍することも求められました。日本に残って就職するというのはダメだったわけです。今はこのようなことを重視してはいません。

大学から提出される推薦書を見ると、皆さん最優秀レベルです。今年の面接試験の時間は、1人あたり6分でしたが、この短い時間で人間を選考する難しさを、つくづく感じました。


○小島サブリーダー
将来のビジョン、学業への熱意、日本の文化に対する適応性、日本語でのコミュニケーションなどが選考基準となります。関西の地区で、面接官が「あなたは日本の文化に対する理解が足りない」と言ったところ、応募者が怒って「あなたも海外の文化を全く分かっていない」と喧嘩になってしまい、結局選考から落ちたケースがありました。これは、喧嘩したこと自体より、相手の言ったことに対しきちんとした議論ができないことが原因です。

面接時間の平均は8分だそうですが、私は、面接の最後に必ず、ロータリーの行事への参加ができるかどうかを念押ししています。

選考基準はカウンセラーハンドブックに記載していますので、この本がクラブに備えてあるかも含め、ご確認ください。
(2)ディスカッション
○竹内リーダー
ロータリーでは、いかなる寄付行為も強要してはならないと定めていますが、実際には、各クラブに奨学会への寄付をお願いしているほか、財団寄付もお願いしており、皆さんご苦労されていると思います。その点について教えてください。

●相模原南RC:溝渕真澄
米山月間と財団月間が近いので、寄付をお願いする時期は、それぞれの月間ではなく、期間を空けています。

●茅ヶ崎湘南RC:浅田正允
当クラブでは、どちらの寄付も目標額を達成しました。その他に、東日本大震災で被災した南相馬市への物資や資金の支援のための寄付を集め、会員から協力を得ました。

●伊勢原中央RC:立澤 智

私は今年度米山奨学生カウンセラーもしています。米山委員長・カウンセラーとして、年度当初と毎月1回、寄付のお願いをしています。その結果、会員のほとんどが寄付をしてくれています。また、奨学生のサポートも、クラブ全体でしてくれて感謝しています。財団委員長も大変ですが、頑張っています。


●平塚RC:小笠原勲
以前、各自で2年間の寄付額の目標を決め、月割で納めてもらうということをしたこともありました。今は、会員1人あたり一律の額をお願いする方がやりやすいです。ただ、過去に高額の寄付をしてくれた方もいるので、心苦しい所はあります。

米山奨学生の名簿は、会員増強のうえでも大変役立つと思います。カウンセラーをはじめクラブ全体でよく面倒を見て、今大変活躍している奨学生もいる一方、あまり面倒を見なかったせいか、うまくいかなったケースもありました。

最近の奨学生は女性が多いので、娘さんのいる会員にカウンセラーをお願いするなどの工夫をしています。


○竹内リーダー
今年国際大会を開催するバンコクで、学友クラブが設立されます。これは、ロータリアンの心が築いたものです。

何年か前のRIのテーマとして“You are the key”というフレーズがありました。まさに、米山はカウンセラーが鍵となるのです。

最後となりましたが、皆さんが心に感じたことを本日のまとめとして分科会を終了します。ありがとうございました。  
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