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ロータリー財団 部門
7.「未来の夢計画」移行への準備
サブリーダー 山田 雅孝 (平塚西)
はじめに
ロータリー財団は国際ロータリーの使命を遂行するための仕組みであり、ロータリーの中枢をなす重要な役割を担っています。従って、R財団なくしてロータリーは語れません。ロータリー財団の正式名称が「国際ロータリーのロータリー財団」となっているように、RIとR財団は一体です。

次年度は、R財団の現行プログラムの最終年度であり、第2世紀に向かう「未来の夢計画」への移行準備が同時並行で行われる年度であります。
財団に対するイメージについて
財団イコール寄付集めと思っている方が多いと思うのですが、如何ですか?また、専門用語や横文字それも省略語が多く、分かり難い。更には寄付がどのように使われているか、不透明だという方も多いと思われます。

RIとR財団は、毎年事業報告書をクラブ宛てに送付しています、そこには寄付金の使途について詳しく事業報告がされています。残念なことに大半のクラブでは、会長や財団委員長からこの報告がなされていません。

このような数多くの誤解からR財団に対する不信感や財団委員長への不安が先に立ち、本気になれないまま、1年の任期が終わってしまう、この繰り返しが続いたクラブもあったと思われます。

様々な解決すべき問題点を抱えてきたR財団も、ここで生まれ変わります。ちょうどその変わり目の財団委員長が皆様になります。新しいR財団の狙いとするところの社会奉仕や国際奉仕の奉仕プロジェクトに、地区財団活動資金(DDF)を活用してみませんか?

これが本日の「ロータリー財団未来の夢計画」でお伝えしたいことです。

大雑把に申し上げれば、ポリオと世界平和フェローの2つを残して、あとは全て地区とクラブにお任せしますので、財団の活動資金は自主的な企画により、奉仕活動の実践に活かして下さいということです。さすがロータリーといわれる社会貢献で、クラブが元気になって頂くことが「未来の夢計画」の目的です。  
なぜRIは戦略計画を必要としているか?
ロータリーの未来は、クラブの存続力と活力、そして成長する力を備えているかです。ロータリーの良さを広く人々に知ってもらいたいと、私たちは望んでいますが、今はその期待と反対の方向にあるようです。

「社会や時代に適合しなくなったら、計画的に止め、破棄してみることにより時代が求める新しい価値が見えてくるかもしれません」。今がちょうどその時であると思われます。 

RIの戦略期計画“ Strategic Plan”は、より「存在価値のあるロータリーを目指した戦略計画」です。同様に、未来の夢計画“Future Vision Plan”も「ロータリー財団のあるべき姿を目指した長期計画」です。

目的は何か、何が期待され、何を捨て、何を目指すかです。私たちは、奉仕の基に集まった会員だからこそ、社会への大きな貢献と「達成感・存在意義」が必要ではないでしょうか。
ロータリーとは
「地域の人々の生活を改善したいという情熱を、社会に役立つ活動に注いでいる、献身的な人々の世界的ネットワーク」を持つ慈善団体です。

ロータリーの戦略計画は、次の3つのテーマに絞られました。

 1. クラブのサポートと強化
 2. 奉仕の重点化と増加
 3. 公共イメージと認知度の向上
  です。
公共イメージと認知度の向上
これまで、ロータリーは陰徳を美としてきました。これも一つの考え方ですが、本当の存在価値を決めるのは外の声であります。ロータリーが今後も地域で、国際社会でお役に立ち、必要とされる団体として成長するには、真摯に外部の評価に耳を傾け、自己満足に甘んじることのない、謙虚さが必要であると思われます。

そのような観点から、公共イメージと認知度の向上に繋がる奉仕活動、これが未来の夢計画の目指す方向であると考えます。ロータリー財団は慈善団体の格付けで四つ星となっています。高知名度慈善団体トップ10の7位(米国慈善団体格付け会社(Charity Navigator)):年予算1億$超が対象で、財政状況・透明性・説明責任を評価)

隔週慈善活動紙(Chronicle of Philanthropy 2011年10月16日付け)によれば、ロータリー財団は、トップ400中61位(前年の75位から61位に上昇)、ポリオ撲滅活動が評価され、特に新世代のロターアクターとインターアクターの寄付にスポットライトを当てているようです。R財団は上記のベスト50位以内を目指しているようです。

R財団補助金は、世界の全ての求めに応えてきましたが、効果の検証をせずやりっ放しでした。その過去を反省し、未来の夢計画では効果的な影響力のある成果を重視し「モニタリング・システム」と「広報」並びに持続性と規模を優先課題とした、効果的な奉仕プロジェクトを目指しています。
ロータリー財団の標語と使命

私たちは手短に、手段である「財団の寄付額」だけを会員に示しがちでした。しかし、一度立ち止まって『私たちは、何のためにロータリークラブに入り、何を目指して、なぜ此処にいるのか』振り返ることが必要です。

それがこの「未来の夢計画」であります。原点はロータリーの綱領でありますが、財団は使命を果たすために、何を止め、何のために何を選択し集中するかを多くの方から真摯に聞きました。

そして、あるべき姿の方向を見出したのです。

現状T:複雑さと膨大な数で機能不全
これまでの補助金システムは、手続きを複雑にする様々な要因がありました。
それは、次のとおりです。

【1】地区補助金、マッチング・グラント、国際親善奨学金、GSE等、12種類もあること

【2】現金寄付、DDFやWFによるなど様々な資金モデルの組み合わせがあるうえに、
   各補助金には別々の授与と受諾の条件、申請手続き、
   申請締切りが定められていること

【3】申請書や研修資料が、九つの公式言語で発行されていること

【4】寄付と補助金の支払い手続きを26の通貨で行ってきたこと

【5】手続き上、クラブ→地区→ゾーンレベル等30以上の役職の段階を経由していたこと

【6】プロジェクトの実施国や地域が200以上におよび、おのおの地元の法律、
   銀行の規定、様々な規制に沿った補助金構成をしていること


もちろん、ロータリーの国際性を考えれば理解できますが、補助金の流れを複雑にしてきたことは明らかでした。その上、年に4000件以上を扱ってきました。他財団よりもかなり多い数です。過去10年に、人道的補助金の数は膨大に増えたために、手続き上の遅れが目立つようになりました。
現状II:効果と影響力が小さい、膨大な件数
各種財団の補助金件数、年次予算額、補助金平均授与額を比較してみます。ライオンズクラブ国際協会は、年次予算は3,850万ドルと比較的小規模ですが、平均授与額は72,000ドルであり、ロータリー財団より遥かに高いです。ハビタット・フォー・ヒューマニティでは、年次予算が1億ドルでロータリー財団と同額ですが、補助金の平均授与額は、10万ドルとかなり高額です。

団体によって運営形態が異なるため、必ずしも正確な比較表とは言えませんが、この研究で明らかなことは、ロータリー財団が、補助金構成を簡素化する必要があるということでした。
なぜ未来の夢計画なのか
一つには、

 ●ロータリー財団の100周年(2017年)に備えるため
 ●世界の全ての要望に応えようとしたことによる機能マヒを解決するために
 ●慈善分野で重要な存在で、発展するために
 ●ロータリ・アンからの不満や要望に応えるために


以上の理由がありますが、関心事の調査とフォーカスグループの意見を纏めてみますと、

 ●プログラムの項目を簡素化し、的を絞る
 ●世界と地元地域のバランスを図る
 ●持続的で大きな成果に焦点を当てる
 ●自分たちの財団であるという自覚を高めるために、地元に決定権を移行する
 ●国際的なプロジェクトの協力団体として真っ先に選ばれる組織にする


この様な方針が打ち出されました。
財団の「2017年ビジョン」について
このビジョンは、管理委員会が財団創立100周年に向け、達成事項として定めました。2017年という期日は、第一に、ポリオの撲滅が達成され、ポリオ・プラスがなくなることが挙げられます。

次に、R財団は世界で認められる50の財団の1つとなること。水や平和といった世界の人道的ニーズに応えるリーダーとなり、優れた戦略的パートナーシップを築くこともビジョンの1つです。
R財団はまた、積極的な募金活動のために、寄付方法の多様化が必要であるとし、恒久基金の目標額を7億〜8億ドルに、年次基金の目標額を1億5,300万ドル以上と目標を定めました。 

2017年ビジョンの最後は、プロセスが簡素化された大規模な補助金、職員の削減、効率的で効果的な運営モデルの構築です。

財団は過去40年間で3万件のマッチング・グラントを提供しましたが、プロジェクトの影響について、数量的評価を行ってきませんでした。寄付者から引き続きの支援を得るには、結果を明確に提示することが重要です。

新しい補助金モデルは、グローバル補助金を通じ、財団補助金の影響を測定・評価し、より大きな影響をもたらすプロジェクトの資金的価値を含める全く新しい試みです。
「80/20コンセプト」
未来の夢委員会と財団管理委員会は、研究や分析を行った上で新しい補助金モデルの計画を立案しました。それが「80/20コンセプト」です。

以前は、財団(ポリオ・プラスを除く)年次プログラム予算のわずか20%が3-Hや平和センターなどの長期的な影響力をもたらすプロジェクトに、残り80%が12,000ドルを平均としたマッチング・グラント、GSEや文化交流など、人道的分野への影響が小さい短期的プロジェクトでした。

そこで未来の夢委員会と管理委員会は、これを逆転させ、年次プログラムの80%を長期的で影響力の高いプロジェクトに、20%を短期的なプロジェクトにするものです。このため、財団はプロジェクトへの資金配分を根本的に見直しました。

つまり、数が限定された規模の大きなプロジェクトへ資金を提供していくこと。これは、補助金の影響力を向上させ、全体的な補助金運営の効率化を図るものです。
現行プログラムからの移行
次年度(2012‐13)は、従来の補助金構成を利用して、引き続き、国際親善奨学生の派遣、マッチング・グラントと地区補助金の申請、研究グループ交換(GSE)チームの派遣が行われます。  
未来の夢計画が始まる、2013年度以降においては、DDFを使う現行プログラムのほとんどは廃止され,新たに地区やクラブの考え方でプログラムをスタートすることになります。

そのためには、まず各クラブにおいて、「未来の夢計画」の理解を深め、私たちのロータリー財団であるという、意識が必要です。ロータリー財団(TRF)では「未来の夢」を理解していただくよう研修の機会、ウェビナー、参考資料の活用いただきたいと広報しております。

現行の最終年度として、現行R財団プログラムを遂行しながら、同時に未来の夢計画(2013年-14年開始)準備年度としてスタートします。

新しいR財団活動のビジネス・サイクルは2年です。毎年、奉仕プロジェクトの実施と次の年度の準備が同時並行で遂行されます。クラブにおいては3〜5年に1つの奉仕プロジェクトの取り組みペースでもよいと思われます。
新しい補助金の構成

新しい補助金構成の下では、新地区とグルーバルの2種類の補助金になります。

新地区補助金では、財団の使命に関連する地元や海外でのプロジェクトを、より柔軟性を持って実施できます。小規模で柔軟性のあるプロジェクトの例としては、地区がクラブと協力し、地元の高校生に奨学金を提供したり、海外の地域に医療品や設備などを寄付する、といったプロジェクトがあります。

グローバル補助金についてはのちほど説明します。また、すべてのクラブと地区は、引き続きロータリー平和センターとポリオ・プラスをご支援いただけます。

新地区補助金の特徴
簡素、柔軟、革新的で、世界と地元地域のバランスをとった、使命に沿った教育的、人道的プロジェクト活動です。最大の特徴は指針に幅を持たせ、クラブや地区が決定権を持つことです。

この新しい補助金構成での狙いは、

 ●優先項目に沿った、的を絞った奉仕活動
 ●プロジェクトの地区決定権を増加させる。
 ●大きな成果が得られるプロジェクトに集中
 ●職員による適切な支援の提供
 ●簡単で自動化された手続き


などです。

教育的奉仕事業においては、専攻科目や学位レベル、地域を限定せず、地区の裁量に任せる方針ですので、今まで以上に使い勝手の良い補助金になる筈です。また、人道的奉仕事業においても、地元地域あるいは海外と地域を限定せず、改築・増築等のハードの部分も幅が広がりました。ロータリ・アンが主体的に企画し、運営するプロジェクトであるならば、相当自由度が高い補助金システムになったと感じております。
グローバル補助金の特徴
新補助金システムのビジョンを一言で説明するならば、長期的な影響をもたらす大規模なプロジェクトと、小規模で柔軟性のあるプロジェクトの両方を支援していくことです。

グローバル補助金は、ロータリーの6つの重点分野に沿った、大規模で国際的な人道的・教育的プロジェクトを支援します。また、測定可能で持続可能であることも要件となっています。グローバル補助金の一種であるパッケージ・グラントは、財団が戦略パートナーとの協力の下に開発した高い持続可能性のあるプロジェクトを、WFからの資金で支援するものです。

それぞれの補助金で、奨学金、職業研修、人道的プロジェクトを実施できます。申請、締切日が特に決められていませんので、1年を通じて提案書・申請書を提出することが可能です。また、申請書の提出を簡単にするため、手続きと承認はすべてオンラインで行われることとなります。

例えば、長期的な影響をもたらす大規模なプロジェクトの例として、2つの国のクラブが、ある1つの地域の人々に安全な飲み水を提供するために、衛生システムを改善するプロジェクトで協力するものなどがあります。

グローバル補助金の特徴としては、先ほどからの繰り返しになりますが、3万ドル以上の比較的規模の大きい、効果の高い、持続性のある海外を対象とした奉仕プロジェクトで、重点分野である6つの領域の中心に関るテーマであることが求められています。

グローバル補助金は、受益国側にも提唱クラブや地区が必須であり、地元受益者の参加や協力団体の協力を得ることになりますが、ロータリー主導のプロジェクトであること、既存の事業でないことが条件となっております。

次に、グローバル補助金に対するニーズ環境と奉仕プロジェクトの事例を紹介します。
「平和と紛争予防/紛争解決」に関する目標
世界が抱えている問題
●国家間の戦争は減少しましたが、冷戦終結後、武力を使用した50の紛争が勃発しています。宗教、国家または民族アイデンティティ上の対立や、天然資源の奪い合いが主な原因です。
●世界の最貧国20 カ国のうち16 カ国が、この数年の間に内戦を経験しています。
●1990年から2004年にかけ、360万人が紛争で命を落としました。一般市民の半分は子どもです。
●世界には2,700万人の難民がおり、その75〜80%は女性と子どもです。

「平和と紛争予防/紛争解決」に関する目標
●草の根の平和活動を充実させる。
●地元リーダーを対象とした紛争の予防・仲裁に関する研修を行う。
●紛争の影響下にある地域における長期的な平和構築活動を支援する。
●紛争の影響を受けている社会的弱者、特に子供と青少年の援助の手を差し伸べる。
●平和と紛争解決に関連する研究を支援する。
疾病予防と治療
世界が抱えている問題
●感染病は、貧困地域に住む人々の命を脅かす最大の要因です。
●サハラ以南のアフリカは、地球上の24%の疾病を抱える地域にもかかわらず、医療従事者は世界全体の3%、保健財源はわずか1%です。
●毎年、感染病で命を落とす人は1,400万〜1,700万に上り、ほとんどが発展途上国に集中しています。
●毎年、マラリアによって約100万人が命を失い、そのほとんどが5歳未満の子どもです。
●アフリカの人口は世界全体の11%ですが、アフリカのAIDS人口は、世界のHIV/AIDS患者の60%にあたると推定されます(WHO)。

活動の目標
●医療従事者の対応能力を改善する。
●疾病の蔓延予防を目的とした地域社会の教育と参加者の動員を図る
●地元基幹医療施設の医療設備を拡充する。
●疾病の予防と治療に関する研究を支援する
水と衛生設備
世界が抱えている問題
●世界で約26億人(南アジアの人口の72%)が、非衛生的設備環境で生活し、約8億8,400万人が、衛生的な飲み水が得られない生活をしています(WHO/UNICEF)。
●女性の仕事とされる水汲み作業26%の時間が費やされ過重労働になっています。
●220万人の子どもが下痢またはそれに関連する疾病が原因で命を落とし、そのうち80%は生後2年未満の子どもと推測されます。

水と衛生設備に関する目標
●安全な飲み水と基本的な衛生設備を提供する。
●水と衛生システムを開発し、維持するための地域社会へのサポートを行う。
●安全な水、公衆衛生、衛生管理に関する地域社会の人々への啓蒙活動を行う。
●水と衛生設備に関する研究を支援する。
母子の健康
世界が抱えている問題
●毎年、5歳以下幼児のおよそ27,000人が、一般に治療または予防が可能な疾病や環境が原因となって命を落としています。
●2008年、5歳の誕生日を迎える前に命を落とした子どもの数は880万人に達しました。
●毎年、536,000人の成人女性または少女が、妊娠期、出産時、また産後6週間に生じた合併症が原因で死亡。さらに、これらの女性1人が命を落とす一方で、20〜30 人の女性が長期、短期の身体障害を受けています。
●発展途上国において、妊娠と出産は死亡および身体障害の第一の要因となっています。

「母子の健康」に関する目標
●5歳未満の子供の死亡率を削減する。
●妊婦死亡率を削減する。
●母子のための基本的医療サービスと研修を受けた医療従事者の利用の改善を行う。
●母子の健康に関連する研究を支援する。
経済と地域社会の発展
世界が抱えている問題
●世界には、1.25米ドル/日未満で暮らす苦しい貧困生活を強いられている人々が14億人います。
●南アジア、北アフリカ、西アジアにおける女性の雇用機会は極めて難しくなっています。
●サハラ以南のアフリカでは、およそ50%が1米ドル/日未満の生活を送っています。2015 年までに、この極貧状態の割合を半減するという国連ミレニアム開発目標を達成するには、開発ペースを約 2 倍に引き上げが必要です。
●貧困層において、安全で手ごろな金融サービスを得られる割合は10%に満たないのです。

「経済と地域社会の発展」に関する目標
●恵まれない地域社会における、地元起業家やリーダー(特に女性)の育成の強化する
●特に若者のために、相応かつ生産性の高い職に就くための雇用機会の開発を行う
●経済的発展を支援するため、地元団体や地域社会ネットワークの能力開発を行う
●経済と地域社会の発展に関する研究を支援する。
基本的教育と識字率向上
世界が抱えている問題
●世界には基礎教育を受けられない子どもが7,500万人おり、うち女児は4,100万人です。
●女児が5年間の教育を受けることができれば、子どもの生存率は40%上昇します(One)。
●初等教育課程未修了の若者のHIV感染率は、同課程を修了した若者の感染率の2倍。全ての子どもたちが初等教育を受けたならば、毎年70万件のHIV感染を予防できます。
●4 人中1 人以上の成人が読み書きできず、そのうち、66%は女性です(End Poverty 2015 )

「基本的教育と識字率向上」に関する目標
●子供たちへ質の高い基本的教育を提供する
●教育における性別格差を減少させる。
●成人の識字率を向上させる。
●基本的教育と識字率向上を支援する地域社会の能力を向上させる。
●基本的教育と識字率向上に関連する研究を支援する。
寄付金の流れ

現行のシェアシステムと大きな違いはありませんが、未来の夢計画における寄付金の流れと使われ方について説明させて頂きます。

日本財団宛てに送金されたものは、税の優遇制度が受けられます。

年次寄付には、重点分野等に使途を指定するものと、使途を指定しないものがありますが、指定しないものは3年後その50%が地区活動資金(DDF)として地区が自由に使えるものです。

恒久基金は、25,000ドル未満については、運用益の50%が地区に入ってきます。

2013-14年度DDFの使途について

当地区財団活動資金(DDF)は概算20万ドル、地区が裁量権を持つ新地区補助金は、DDFの最大50%を限度として活用できます。一方グローバル補助金には、DDFの最低50%以上〜最高100%を充てることができます。

当年度の新地区補助金未使用分は、次年度以降の当地区グローバル補助金に繰り越金として使用できます。またDDFは、ポリオや平和フェロー等へ指定の寄贈もできます。

2012-13年度DDFの配分方針
後藤パストガバナー年度における、当地区の年次寄付が389,416ドルでした。これが2013−14年度に当地区の活動資金として概算200,000ドルとして戻ってきます。この内の50%、10万ドルを新地区補助金に充てる予定です。

内訳としては

 【1】奨学金に24,000ドル
 【2】地区直轄社会奉仕プロジェクトに6,000ドル
 【3】クラブへの補助金として70,000ドル


イメージとしては1件平均60万円が9件となります。

グローバル補助金は、残る100,000ドルの地区活動資金に国際活動資金(WF)が同額補助されますので、200,000ドルの予算となります。

内訳は

 【1】奨学金に30,000ドル、職業研修(VTT)に20,000ドル
 【2】地区直轄国際奉仕プロジェクトに50,000ドル
 【3】クラブへの補助金として100,000ドル


地区内3つに分けたブロックに、1件33,000ドル(約260万円)のイメージとなります。

昨年、各クラブのアンケートやガバナー補佐のご意見を集約して、このような配分を決めました。ご意見の中に高校生への奨学金の要望がありましたが、予算上不可能でした。そこで菅原エレクトは平均200ドルの年次寄付をお願いして、高校生への奨学金制度を3年後から発足したいと考えております。
補助金の地区ブロック推薦のフロー

新地区補助金もグローバル補助金も、地区内9グループを3つのブロックに分け、それぞれ、のブロック毎の予備審査を経て、地区財団補助金委員会で決定する流れとなります。

新地区補助金は、地区内で決定したものを地区が一括申請をしますが、ほぼそのまま実行されるものと思われます。

グローバル補助金は、予算枠調整として地区が予備審査を行いますが、ロータリー財団(TRF)へ直接オンラインの提案書、申請書となりますので、審査はTRFの管理委員会が行います。

新地区補助金の申請のフロー図

新地区補助金の申請の流れは、フロー図の通りで、ブロック推薦は今年の12月1日より受け付けます。ブロックで募集プロジェクトが満たされなかった場合は、2次募集として、来年の1月7日より、地区財団補助金配分小委員会.を窓口として受け付けます。

4月上旬までに、地区で一括申請の手続きをオンラインで行います。手続き上問題がなければ、7月の上旬に、地区の口座に送金されて来る筈です。

グローバル補助金地区内申請のプロセス

グローバル補助金の地区内のプロセスは、新地区補助金と同様ですが、地区内はあくまで、予算の割り振りとしての予備審査ですが、地区の財団補助金推進小委員会が、審査が通り易いようにできる限りお手伝いさせて頂きます。

面倒な手続きや事務管理については、個別に地区委員会がサポートします。提唱クラブとして奉仕プロジェクトを予定しているクラブさんが、プロジェクトに専念できるような環境を整えていくつもりですので、積極的なプロジェクトへの参加を期待しております。

補助金申請の参加資格と条件

補助金申請への参加資格と条件には、専門的な細かな決め事がありますが、これも具体的な奉仕プロジェクトに取り組む段階になりましたら、個別に勉強会を行います。今の段階ではこのようなことがあるということだけご承知おきいただければ結構です。今年の8月には、プレセミナー、来年の2月には正式な参加資格要件である、補助金管理セミナーを行います。その節は詳しい説明をいたします。

奨学金プログラムの概要

新地区補助金とグローバル補助金に毎年、奨学生各1名の枠を取る予定です。

新地区補助金の奨学金は、専攻科目や地域等の制限がりませんので、現行の国際親善奨学生よりもむしろ自由度が高いと言えます。グローバル補助金の奨学金は6重点分野に限り、留学先にRCがあることが前提となっておりますが、世界平和フェローよりも難易度が高くないので、条件さえ合えば国際親善奨学生と環境は似ております。

地区内補助金審査基準の方針
「未来の夢計画」における補助金システムの目指す方向に沿って、地区の審査基準を作成しました。ロータリー財団の審査がスムースに通るには、ここに掲げた基準に合わせていただく方が早いと考えます。共通して言えることは、ロータリアンが中心となり主体的に企画提案することと、積極的な関わり率、参加率が求められます。

新地区補助金は、基準通りの厳格さは求めませんが、申請数が多くなった場合は、できる限りこれに沿っていただいた方が、優先順位が高くなることはあります。また、プロジェクトの内容が拮抗した時には、過去の寄付の貢献度が審査のうえで有利になると思われます。

地区内予備審査を通ったグローバル補助金案件は、ロータリー財団にオンラインで提案書を出します。6つの重点分野の中心部分にプロジェクトのテーマがマッチしていることが最低条件ですが、持続可能な効果の高い、影響力を持った計画になっているか、持続可能性を担保する、受益側地域の参加度と人材育成並びに効果測定のモニタリングシステムが求められます。
FVP移行に向けてクラブがすべきこと
「未来の夢計画」への移行準備項目は、次のようになります。

 ○2012-13年度 研修、参加資格認定、準備
 ○7月16日 地区ロータリー財団セミナー
 ○2月20日 補助金管理セミナーに出席する
 ○2013-14年度クラブ・ロータリー財団委員長を早めに任命する
 ○2012年12月新地区補助金プロジェクトの提案書を地区に提出する
 ○ロータリー財団補助金を利用したクラブは報告書が提出済みであることを確認する
 ○2013年4月以降にグローバル補助金提案書をオンラインで手続き
FVP移行準備と優先項目T
100地区の試験的活動結果により一部変更の可能性がありますが、前項に加えクラブとしては次のような準備が必要です。

 ●未来の夢ニュースレターの受信申し込み。
 ●RI ウェブサイトでEラーニングのモジュールを読む。
 ●クラブ・ロータリー財団委員会の研修を行う。
 ●新地区補助金とグローバル補助金の授与と受諾の条件を読む。
 ●グローバル補助金や新地区補助金の資格基準を検討する。
 ●補助金を利用した、大規模活動を実施するために、他クラブと協力する機会を検討する。
 ●クラブ「補助金管理の手引き」を読む。
一つのサイズではみんなに合わない
RIの計画は、戦略的決定のために「1つのサイズ」にすべてを当てはめることではありません。未来の夢計画は、クラブをサポートするためのR財団(TRF)の指針を示すものです。

これはクラブの計画ではなく、R財団(TRF)の計画です。これをクラブの指針とすることはできますが、義務ではありません。

未来の夢計画は、R財団からの指示を少なくし、クラブが地域や文化に合った活動を独自に計画できるようにするものです。 クラブに柔軟性と選択肢を与えるものです。おのおのの地域や文化の違いを認識しています。

クラブが成長し、多様な会員を持ち、全会員の間の協力を促進するため、新しい参加の機会を会員に提供するものです。皆様の積極的な奉仕への実践をご期待申し上げまして、説明を閉じさせていただきます。ありがとうございました。
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